私には、ピアノの先生、伴奏ピアニスト、大学の先生、という3つの顔がある。今日は伴奏ピアニストの話。
今年の上半期の伴奏仕事は、私の中でシーズン5までに分けられていて、シーズン2までを終えた。つまりは山を2つ越したわけだ。今日はその狭間のような1日で、弾き終えた楽譜を片付け、シーズン3にむけて楽譜の整理をした。少しの淋しさと、とても清々しい気分が入り混じるこの作業。これが1時間もかかったので、コーヒーはすっかり冷めてしまって、とりあえず35曲もあった。
俳優さんが台本を持ち替えて次の現場に向かうとき、こんな気分なのかなと想う。リサイタル、コンクール、オーディション、オーケストラの入団試験、それぞれに本気のドラマがあり、私たちは楽譜を通してひたすら作曲家と向き合う。
1年前の自粛中に買ってきたコバノズイナの木に、花の蕾がたくさんついていることに、ようやく気がついた。明日から大学がはじまる。